太陽光のために集めた電力データで、別の疑問が出た

太陽光と蓄電池を導入する前に、まず自宅の電力の使われ方を知りたかった。導入後に何が変わったかを見るには、導入前のBaselineが必要になるからだ。

そのためにHomeEnergyへ電力データを集めた。2026年4月23日から9月18日直前までの148日間で、30分ごとのデータは7,104件になった。

集めたところで、別の疑問が出た。

今の電力会社は、この家に本当に合っているのだろうか。

一般的な世帯モデルやランキングではなく、同じ家で実際に使った電力を使って比べることにした。

7,104件の電力データを、比較に使える状態まで整えた

今回使ったのは、太陽光・蓄電池導入前の自宅データである。

項目 値
対象期間 2026-04-23 00:00 JST〜2026-09-18 00:00 JST未満
日数 148日
30分interval 7,104件
Expected / Received / Unique 7,104 / 7,104 / 7,104
Missing / Duplicate / Null / Negative 0 / 0 / 0 / 0
合計使用量 2,338.5 kWh
平均使用量 15.80 kWh / 日
最大30分使用量 4.70 kWh

Raw dataから正規化し、PostgreSQLへ取り込むまでのTraceabilityとValidationはHomeEnergy側で確認済みである。ここでは、その確定したConsumptionを使う。LifeOps側で料金や使用量を計算し直してはいない。

月別に見ると、4月と9月は期間の一部だけであり、7月と8月の使用量が大きい。

月 使用量 注記
2026-04 89.0 kWh 4月23日以降のpartial month
2026-05 294.6 kWh
2026-06 246.5 kWh
2026-07 693.2 kWh
2026-08 750.1 kWh
2026-09 265.1 kWh 9月17日までのpartial month
合計 2,338.5 kWh
2026年4月から9月の月別電力使用量。7月は693.2kWh、8月は750.1kWhで、4月と9月は期間の一部のみを含む
月別Consumption。4月と9月はpartial monthであり、月全体の使用量との単純比較には使わない。

平日は1,663.6 kWh、週末は674.9 kWhだった。使用量が最も多かった時間帯は2時台の132.3 kWhだが、その理由はこのデータだけでは分からない。Tesla、冷房、生活パターンなどの原因をここで推測しない。

比べたのは、同じ家・同じ148日・同じ使用量

比較条件はシンプルに固定した。

同じ家 × 同じ148日 × 同じConsumption 2,338.5kWh × 料金プランだけ変更

これは、2026年9月ごろに確認できた料金プランを、2026年4月23日から9月17日までの自宅実測Consumptionへ当てはめたCounterfactual Simulationである。過去の請求書を完全再現する計算ではない。

Primary Scenario(Scenario A)では、基本料金+電力量料金だけを比較した。電力会社や月ごとに条件が変わる燃料費調整、再エネ賦課金、政府支援、Campaignは、まず料金構造そのものを比べるために外している。

今回のScenario Aは「基本料金+電力量料金」の料金構造比較です。燃料費調整、再エネ賦課金、政府支援、Campaign等は含めていません。したがって、「実際の請求総額でも必ずSimple Octopusが最安」という意味ではありません。

結果:この家ではSimple Octopusとの差が大きかった

Plan 148日 Scenario A Simple Octopusとの差
Simple Octopus 2025-08 70,973.48円 —
CDエナジー ベーシックでんきC 96,849.35円 +25,875.87円 / +36.46%
ENEOS 東京V 98,591.40円 +27,617.92円 / +38.91%
idemitsu SプランB 98,707.88円 +27,734.40円 / +39.08%
東京電力EP スタンダードL 103,249.77円 +32,276.29円 / +45.48%
Simple Octopusと4つの比較プランの148日Scenario A料金比較。Simple Octopusは70,973円、比較プランは96,849円から103,250円
Scenario Aの比較。基本料金と電力量料金のみを対象にし、実請求総額の比較ではない。

この結果は、「Octopus Energyが誰にとっても最安」という意味ではない。この家の契約容量、使用量、比較時点の料金構造が重なった結果である。

差の理由は、12kVAと夏の使用量にあった

現在の契約はOctopus Energyの「シンプルオクトパス 2025-08」。契約容量は12kVA、基本料金は0円、電力量料金は30.35円/kWhの単一従量料金だった。確認した請求期間では燃料費調整は0円/kWh、再エネ賦課金は4.18円/kWhである。

まず大きかったのは基本料金だ。12kVAでもSimple Octopusは基本料金が0円だった。一方、今回比べた他社プランでは148日で約16,060〜18,082円の基本料金が発生する。

次に、単一従量料金が夏の高使用量と相性がよかった。7月は693.2 kWh、8月は750.1 kWhを使っている。Simple Octopusでは30.35円/kWhで固定だが、比較した他社プランでは300kWh超の第3段階が約36.50〜40.49円/kWhになる。

つまり、12kVAという大きな契約容量と、夏に300kWhを大きく超える使用量に対して、基本料金0円+Flat Rateが強く働いた。

12kVAなのはTeslaを自宅で充電するため

前年にTesla Model Yを購入し、自宅に充電設備を設置した。そのため自宅充電に対応できるよう、契約容量を12kVAにしている。

これは「2時台のPeakがTesla充電だった」ことを示すものではない。自宅充電履歴は取得できるが、今回のPrimary Articleでは使用量の時間帯理由まで結びつけない。ここで必要なのは、12kVAという料金構造に効く生活上のContextだけである。

では、電力会社を変えるか?

今回の結果を見たTakaの判断はこうだった。

こんなに差が出るとは思わなかった。少なくとも太陽光を入れるまではSimple Octopusを変える必要はなさそう。

これは、この家 × このConsumption × この料金条件での本人の判断である。実請求総額の将来予測や、ほかの家庭への推奨ではない。

太陽光や蓄電池を導入すれば、Gridから買う電力の量と時間帯は変わる。その時点で同じ実測比較をもう一度行う。

今回の比較で、まだ分からないこと

  • Scenario Aは料金構造比較であり、燃料費調整、再エネ賦課金、政府支援、Campaignを含む請求総額の再現ではない。
  • Green Octopusは、東京・12kVAで再現できる公式単価を確認できなかったため、比較不能のままOPENとした。推測計算はしない。
  • 148日は夏を含むが、冬の使用パターンはまだ十分に入っていない。
  • 太陽光・蓄電池導入後は、同じ料金プランでも結果が変わりうる。
  • 2時台の使用量が多い理由は、このデータだけでは分からない。

自宅のデータでも比較するなら

「安い会社」を探す前に、自宅のUsage Patternと料金構造の相性を見るための最小手順である。

  1. 自分の電力Consumption Dataを取得する。
  2. TimestampとkWhの形式へ整理する。
  3. MissingとDuplicateを確認する。
  4. 比較したいPlanの公式料金を確認する。
  5. 同じConsumptionへ各料金式を適用する。
  6. Basic Charge、Energy Charge、Adjustment等を分けて記録する。
  7. 差額だけでなく、なぜ差が出たかを契約容量・段階料金・時間帯料金から見る。
  8. 実測の比較と、年間推計を混ぜない。

GenericなEnergy Calculatorは今後切り出す予定だが、この記事を読むためにも再現を始めるためにも、現時点では必要ない。

Chappyへ渡す比較Prompt

自宅の30分電力Consumption Dataがあります。一般家庭モデルではなく、この実データを使って料金プランを比較したいです。

最初に、データの対象期間、件数、Timestampのタイムゾーン、kWhの単位、Missing・Duplicate・Null・Negativeを確認してください。データ品質に問題があれば、料金計算の前に止めてください。

各Planは公式Sourceで確認してください。基本料金、契約容量、段階料金、時間帯別料金、燃料費調整、再エネ賦課金、政府支援、Campaignを分けて整理してください。

まずは「基本料金+電力量料金」だけのScenario Aを、全Planで同じ対象期間・同じConsumption・同じ契約条件に固定して比較してください。Adjustment等を混ぜる場合は別Scenarioにし、何を含めたかを明記してください。

料金表や契約容量の条件が不明なPlanは推測で計算せず、比較不能として残してください。結果は差額だけでなく、基本料金、段階料金、時間帯別料金など、なぜ差が出たかを説明してください。

住所、供給地点特定番号、Meter ID、Account ID、API Token、請求書の個人情報、Raw API Responseは共有・公開しないでください。実測と年間推計も混ぜないでください。

長く残すことと、更新が必要なこと

長く残したいのは、一般家庭モデルではなく、自宅の実Consumptionを同じ料金条件へ当てはめ、料金構造との相性を確認する考え方である。「安い会社」を探すより、なぜ自分の家で差が出るのかを理解する。

一方で、2026年9月時点のPlan名、単価、基本料金、燃料費調整、再エネ賦課金、Campaign、Octopus API環境はCurrent Layerであり、将来更新が必要になる。

次の実験

太陽光・蓄電池導入後に、同じ家のGrid Consumptionがどのように変わるかを測る。料金プランを変える前に、まず変化した実測をもう一度同じ式へ当てはめる。