普段使っている健康相談の裏側には、睡眠、活動、体重・体組成、食事と栄養を同じ日付で見られるようにする仕組みがある。

ただ、これを最初から全部作ろうとすると複雑すぎる。自分の健康データを見ながらChatGPTへ相談することを試すだけなら、どこまで削れるだろうか。

そこで、実運用をコピーせず、ゼロから最小構成を作って使ってみた。

普段使っている仕組みは、そのままでは複雑すぎる

私の普段の記録には、Oura、Withings、あすけんなどが関わっている。記録を日付ごとにまとめ、必要に応じて週単位でも見返している。

でも、これから始める人に「同じものを全部作ってください」とは言えない。自動連携、認証、データ取得、集計まで最初から揃えようとすると、相談を始める前に疲れてしまう。

最初に試したいのは、もっと小さなことだ。自分の健康データを前にして、普通の言葉で相談できるか。

最小構成は、スプレッドシートとChatGPT Project

今回作った最小構成は次の5つだけにした。

健康データ
→ Googleスプレッドシート
→ ChatGPT ProjectのSource
→ Instructions
→ 健康相談用のChat

最初から自動化はしない。手入力でも、すでに使っている体重計や健康アプリから見た数字でもよい。1日ごとの記録をGoogleスプレッドシートに置き、それをProjectで参照できる状態にする。

普段スプレッドシートを開いて数字を眺めるためではない。そこにあるデータを前提に、「今の状態どう?」「今日の昼は何を食べればいい?」「今日は運動を軽くした方がいい?」と聞くための入口にした。

健康データは1日1行

Starter Kitの表は、1日につき1行だけだ。最初の列は14項目に絞った。

  • 日付
  • 体重
  • 体脂肪率
  • 筋肉量
  • 睡眠時間
  • コンディション
  • 歩数
  • 活動消費カロリー
  • 総消費カロリー
  • 摂取カロリー
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • メモ

すべてを毎日埋める必要はない。使っていない機器の項目や、まだ記録していない項目は空欄でもよい。

大事なのは、数値を増やすことではなく、ChatGPTが必要なときに直近数日の記録を見比べられる形にすることだ。列の詳しい意味は、Starter KitのData Field Guideにまとめた。

ChatGPT Projectにスプレッドシートを追加する

Googleスプレッドシートを、ChatGPT Projectで利用できるSourceとして追加する。ここで目指す状態は、特定のボタンを押すことではない。

スプレッドシートがProjectの利用可能なSourceとして登録されていること。

ChatGPTのProject画面は、OSやアプリのバージョンで表示や操作が変わる可能性がある。だからStarter Kitでは、画面上の位置を固定した手順にはしなかった。

Projectへスプレッドシートを追加したら、健康相談用のChatを一つ作る。iPhoneでも同じProjectを開ければ、外出先では短い質問だけで済む。

Instructionsで「最新のデータを見る」を指定する

Projectには、相談するときの前提となるInstructionsも設定する。

中心に置いたのは、健康、食事、運動などの回答が最新の記録で変わりうる場合、過去の会話だけで決めず、登録された健康データを確認することだ。

加えて、単日の数字だけで原因を断定しないこと、必要なら最近の推移を見ること、データが足りなければ推測で埋めないこと、医療上の診断として扱わないことも入れた。

全文はStarter Kitに入れている。自分の状況に合わせて直す前に、まずそのまま試せる長さにした。

自分で最初から作り直したら、ここで迷った

完成したKitを、自分でゼロから設定してみた。二つ、想定していなかった摩擦があった。

一つ目はCSVだ。最初の架空データには日本語のメモを入れていたが、Macで開くと文字化けした。ChatGPTがデータとして使う分には問題なかったものの、最初に開くファイルとして気持ちよくない。v1.1ではメモを英数字中心に変えた。

二つ目はChatGPT Projectの作成だった。2026年9月27日にMac版で試したところ、最初に作ったProjectは意図したCloud側のProjectにならず、スプレッドシートをSourceとして追加できなかった。作り直したProjectでは利用できた。

以前はLocalとCloudを明示的に選べた記憶があるが、今の画面では違いが分かりにくかった。これはその時点の私の環境での体験であり、Mac、Windows、Web、アプリのバージョンで同じとは限らない。だから「このボタンを押せばよい」と固定せず、Sourceを追加できるProjectかどうかを確認する手順にした。

無料Starter Kit

RESOURCE

Health Data + ChatGPT Starter Kit

GoogleスプレッドシートとChatGPT Projectから始めるMinimum Kit。架空データ入りSample、Instructions、Setup Guide付き。

Starter KitをGitHubで見る

このKitは自動化Kitではない。API、OAuth、スケジューラ、専用アプリも含めていない。

最初は手入力、CSV、自分がすでに持っている健康データだけでよい。まず相談する体験を試し、必要になったデータや自動化だけを後から足せばいい。

食事・栄養データの入力を自動化したくなった場合は、別のあすけんNutrition Capture Kitを使う道もある。こちらは、健康データをChatGPTから使うための入口に絞っている。

実際に公開用Kitを作ってゼロから設定し直してみると、普段使っている仕組みを全部再現しなくても、スプレッドシート、Project、Instructionsまで削れば、健康データを使った会話の入口は作れた。

まずはこのMinimum版を試し、必要になったデータや自動化だけを後から足せばいい。