次にトラブルが起きたとき、家に何があるかを最初から知っていてほしかった

HomeOps #001で記録した家中の水量低下では、家庭用軟水器を原因候補として思い出すまでに時間がかかった。高額な配管工事を決める前に設備経路を切り分け直し、軟水器を通らない状態で水量が戻った。

次に同じような問題が起きたときは、「この家には何があるか」をChappyが最初から参照できる状態にしたい。そう考えて、自宅設備の台帳を作ることにした。

ただ、家電や設備のメーカー・型番を一台ずつ手入力する作業を想像すると、始める前から続かなさそうだった。そこで、まずはラベルを撮影するだけで初版を作れるか試した。

実験の問い:写真だけで、実用的な初版は作れるか

今回の問いはシンプルだった。

専門知識のない本人が、スマートフォン写真だけを使って、故障時のTroubleshootingに使える自宅設備台帳の初版を30分程度で作れるか?

今回の13台については、約30分で初版を作れた。ただし「誰でも30分でできる」という一般的な約束ではない。設備数、ラベルの読めやすさ、製品の古さ、メーカー情報の公開状況で所要時間は変わる。

HomeOps設備台帳 v1で確認できたこと

項目 今回の結果
主要設備 13台
所要時間 約30分
本人の主な入力 メーカー・型番等が書かれたラベル写真
写真ベース登録 13 / 13台
公式Manual特定 12 / 13台
Manual未取得 三浦工業の家庭用軟水器

これは完成した設備管理システムではない。故障・点検・消耗品の確認を始められるようにした、HomeOps設備台帳 v1である。

人は現物を確かめ、AIは初版を整理する

今回、役割を次のように分けた。

人がしたこと

  • 家を回る。
  • 設備本体と、メーカー・型番などが書かれたラベルを撮る。
  • Chappyの認識結果と、候補に挙がった公式情報を確認する。

AIに任せたこと

  • 写真から文字を読み、メーカー・製品名・型番候補を整理する。
  • 製品情報を探し、公式Manual候補を探す。
  • 情報を設備ごとの台帳としてまとめる。

AIの画像認識は誤る可能性があるため、認識結果をそのまま事実として保存しない。今回も三浦工業の家庭用軟水器はWeb上の公式Manualを取得できず、「未確認」と残した。埋められない空欄を残せることが、初版ではむしろ重要だった。

自宅でも30分だけ試してみる

完璧な設備台帳を完成させることをGoalにしない。まず30分で、次のトラブル時に役立つv1を作る。

  1. ChatGPT Projectを作る。名前は HomeOps|自宅設備・トラブル管理 のように用途が分かるものにする。
  2. 下のProject Promptを最初のInstructionsとして入れる。
  3. スマートフォンを持って家を回る。
  4. 各設備について、全体像とメーカー・型番ラベルを撮る。
  5. 写真をChappyへ渡し、設備ごとの候補情報を表にしてもらう。
  6. メーカー名・型番をラベルと照合し、誤認識や不明点を「未確認」にする。
  7. 公式Manual候補は、メーカー公式のものかを確認する。
  8. 30分でいったん止める。次に実際の点検やトラブルが起きたときに足りなかった項目を追加する。

型番だけでは、施工状態、配管状態、設置環境までは分からない。台帳は専門診断の代わりではなく、相談時に現状を正確に伝えるための入口として使う。

コピペ用:HomeOps Project Prompt

自宅設備台帳を作りたいです。目的は、故障・Error・点検時に「この家にある設備」を起点に安全なTroubleshootingを始められるようにすることです。

これから設備の写真を渡します。写真ごとに、メーカー、製品名、型番、Category、設置場所、用途、消耗品・交換部品の候補、公式Manual候補URL、確認が必要な点を表にしてください。

型番が判明した場合はメーカー公式情報を優先してください。写真から読めない文字、確信できない製品名、Web上で確認できないManualは推測せず「未確認」としてください。推測を事実として台帳に保存しないでください。

Password、API Token、Cookie / Session、Wi-Fi Password、契約番号、Security解除情報、不要な住所情報は台帳に保存しないでください。最初から完璧な設計を目指さず、実際に使いながら改善する初版として整理してください。

コピペ用:故障時に台帳を使うPrompt

自宅設備で次の症状が起きています。安全を優先し、登録済みの設備台帳と公式Manualを参照しながら、専門業者へ相談する前の状況整理をしてください。

症状:[いつから、どこで、何が起きているか]
確認済みの事実:[表示、音、漏水の有無、操作履歴など]
関連しそうな登録設備:[設備名・型番・設置場所]

次を分けて出力してください。
1. 直ちに専門業者や緊急窓口へ連絡すべき安全上の条件
2. 現時点で確認済みの事実
3. 公式Manualで確認すべき箇所
4. 本人が安全に記録・確認できる項目
5. 一般的にあり得る原因候補。ただし確定診断のように書かない
6. 専門業者へ連絡する条件と、連絡時に伝えるべき情報

危険な分解、配線・配管の操作、修理を自分で行うよう提案しないでください。AIの判断、公式情報、推測を明確に分けてください。

写真と台帳のPrivacyを先に決める

Project内部であっても、不要な情報は登録しない。特にPassword、API Token、CookieやSession情報、Wi-Fi Password、契約番号、Security解除情報、不要な住所情報は台帳の対象外にする。

記事として写真や台帳例を公開する場合は、さらにSerial Number、QRコード、バーコード、Customer ID、住所、自宅を特定できる背景や反射を確認する。公開用の画像は、設備を特定するために必要な情報と、公開しなくてよい情報を分ける。

初版には限界がある

  • 写真認識は誤る可能性があり、型番は本人確認が必要である。
  • Web上に公式Manualがない設備もある。
  • 型番だけでは施工状態・配管状態・設置状態までは分からない。
  • AIはメーカー、施工会社、専門業者を置き換えない。
  • 13台で十分かは、まだ分からない。
  • 約30分は今回の実測であり、全家庭に保証される時間ではない。

ChatGPT Projectの具体的なUI、AIの画像認識能力、メーカーのManual公開状況、登録している個別設備は将来変わる。長く残したいのは、人の作業を「情報入力」から「現物を確認して写真を撮る」へ変え、故障時に「この家の場合」からTroubleshootingを始められるようにする考え方である。

次は、設備本体の外側まで管理できるか

HomeOpsの次の実験は、空気清浄機、Dyson掃除機、交換Filter、Replacement Parts、LEDライト、予備在庫まで扱えるかである。

設備本体だけでなく、交換部品・消耗品・自宅在庫・交換履歴までHomeOpsで管理できるか?

まだ成功したとは言えない。実際に使い、補充や交換の判断に役立つかをこれから確かめる。

HomeOpsを作った後には、エネファームに普段見ないErrorも表示された。次回は、設備台帳が実際のTroubleshootingでどこまで役立つかを検証する予定だ。